しかも長いの日記

しょうもないのに、しかも長い。もし知人にこのブログを知られたら、まぁまぁそこそこ大切にしているブラジル硬貨の5ペソをあげたくなるかもしれない。

クレイジー親知らず

親知らずが痛むと、

あの時一緒に抜歯しておけば良かった〜
って思います。
 
 
強く、思います。
今は伝えたい。皆も親知らずは早めの対処が良いですよ!って。
 
 
何が言いたいかっていうと、先延ばしにし続けた親知らずの抜歯が、ついに牙をむいた…ということです。もう、親知らずのやんちゃ具合が半端ない。
 
 
 
でも、だって、聞いて欲しい。
医術は日進月歩だって言うから。
まだ出てきていない親知らずなら、ゆくゆくは虫歯満載の奥歯にとってかわるニュースターになれるって。
 
 
 
なんていうか、淡い期待がありました。
…私の口内環境に差し込む一筋の光が、埋まった親知らず牽引の未来だったのです。
 
 
あとはまぁ、普通に怠惰。
ただただ、歯医者に行きたくない気持ち。
ちょっと疼くくらいなら寝てやり過ごすか〜くらいの軽い気持ち。
 
 
 
 
10年。
 
 
 
 
 
 
いやぁ〜我ながら、放った。
桃栗三年柿八年っていうけれど、柿もたわわに実りますね。

 
 
 
そこで、満を持して、先週のゴールデンウィークに親知らずが疼きました。
力強い痛みが全力で生きてるって主張してきます。
 
 
 
10年前に右下の1本だけ切開して抜歯。
残り、3本。
 
 
 
しくしく痛むんじゃない。
ずきずきと頭に響いて、親知らずのことしか考えられない。
 
 
 
歯医者には定期検診で3ヶ月に1度は通っていたのですが、かかりつけ歯医者にはここ数年問題がありました。
 
 
 
2代目ウインナー問題。
 
 
 
私の通う歯医者には、先生が2人います。
初代おじいちゃん先生は親知らずの名医で、院内は常に満員、予約必須のスーパードクターでしたが、最近老眼がすごい。
 
 
 
寄る年波には敵わない。
すんごい分厚い老眼鏡をつけていて、時には施術中に、寝てる?って心配になるくらいの先生です。
 
 
 
そしてその初代おじいちゃん先生の息子が、2代目のウインナー先生。
軽く悪口みたいなあだ名を心の中でつけてしまっているのですが、これがもう、我ながらぴったりのあだ名だなと思っています。
 
 
 
なにせ指が太すぎて、施術が苦しい。
お弁当に入ってた?ってくらいで、そんな指で歯医者って、本当どうなんだろ。なんとか指だけ肉を絞ってもらえませんかと言いたくなります。
 
 
 
 
おじいちゃん先生目当てで通っている歯医者だけれど、最近は3回に1回の割合でウインナー先生にかわります。
なんなら、おじいちゃん先生は昼寝タイム増えちゃってる。代がわりが迫ってる感がすごい。
 
 
 
そんな歯医者が私のかかりつけ歯医者です。

 
 
左上の親知らずは次に来た時抜歯しようか!
そう、ウインナー先生に言われたのは、去年の12月。
 
 
 
 
 
そして、ちょっとした、この爆弾のような親知らずがじわりと疼きだしたのは、定期検診をさぼりにさぼったゴールデンウィークの初日でした。
 
 
 
 
今年のゴールデンウィークは5月2日だけが月曜の平日でしたね。
 
 
 
狂いそうな痛みで、朝から歯医者に電話すると、手が離せないのでまた後から電話をかけて下さいというアナウンスが流れます。
 
 
 
休みかな?
そう思うけれど、休みの時には休みのアナウンスが流れるので、診療はしている様子。
 
 
 
ホームページで確認したら、やっぱり診療日。
けれど、今までと打って変わって、でかでかと目に飛び込んできたのは
 
 
 
審美・インプラント専門歯科
 
 
 
の文字でした。
 
 
 
まじでか。
いつから変わった、ここは虫歯と親知らずで有名だったんじゃないのか?
 
 
 

ウインナーか?
2代目は審美とインプラントなのか?
 
 
 
けれど今、この瞬間、他に馴染みの歯医者はないのです。
午前の診療に間に合うかの瀬戸際で、全ての用事を放り出し地下鉄に飛び乗りました。
 
 
 
 
はい…リンジキュウギョーーーウ!!!
 
 
 
 
降りたシャッターを前に呆然と立ち尽くし、はっとして、どうにか薬だけ欲しいと、近くにあるヤブで有名な歯医者に飛び込みました。
 
 
 
 
診療日らしいけど、受付の人が通常より30分早くお昼とってるーーー!
誰もいねぇーーーーーー!!!
ヤブでさえ薬をくれない。
 
 
 
もう、空を仰ぎみるというか。
まぶしいほどに青空で、さわやかな5月の風で、新緑の香りで、市販薬は飲んでいるのに泣きそうなくらい歯が痛い。
 
 
 
 
 
ちょっとたそがれて、ちょっとぼーっとして、
思い出したように調べはじめました。
 
 
 
「親知らず・上手い・抜歯」
 
 
 
 
 
ヒット!電話!
その日の昼過ぎに診療ねじ込んでもらえました。…私、ツいてる!!!
 
 
 
 
 
 
…この歯医者の場所、地下鉄に飛び乗る前にいた場所の道挟んで向かい。
 
 
 
 
 
チルチルミチルもびっくりの、青い鳥はすぐそばにいたわけです。
しかも、県外からも紹介状を携えて多くの人が親知らずを抜きにくる口腔外科専門歯科!
 
 
 
 
ここに決めた!さよなら審美ウインナー。
午前の診療時間ギリギリに電話して、急遽予約をとった飛び込みの患者にも優しくて、薬で炎症が治まってからの抜歯が決まりました。
 
 
 

さよならインプラントウインナー!!
 
 
 
 
抜歯は左上下の親知らずを同時に。
 
 

私の親知らずは、左上が少しだけ出てきた程度。左下は神経に近く、横向きで、埋まったままです。
 
 
 
 
下は麻痺が残るかもと言われたけれど、10年前に同じ状態だった右下の親知らずが施術後も大丈夫だったから、どうにかなるだろうと思いました。
 
 
 
ちょっとびびったけど、まぁ歯医者って怖いものだし。
親知らずが痛いのにも、もう耐えられないし。
 
 
 
 
いざ抜歯当日。
上下同時だからと、麻酔を4箇所に打てば、もう感覚はじんわりぼんやり。
 
 
 
 
上からとりかかって、その後難所の下に
まずは上から、
上が、
上で…
 
 
 
 
 
 
…おや?
上の様子がおかしいらしいけど、これ一体どうしたことやら。
 
 
 
 
先生達の話している内容が怖い。超怖い。

 
 

…どうやら、私の親知らずの根っこがぎゅんっと曲がっていて、1つまだとれていないとのこと。
すでに抜いた親知らず本体の先に、あるはずの骨がなくて、上顎洞という空洞とつながっていること。
 
 
 
 
無理に根っこを取り出そうとしたら、その真横にある上顎洞の空洞スポットに根っこが落ちる可能性があるということ。
 
 
 
 
それは上顎洞への迷入と呼ばれること。
もし迷入したら、大掛かりな手術になるということ。
 
 
 
 
大学病院にこのまま直行して下さいと言われ、バスで行こうとしたらタクシーに乗るよう言われ、紹介状を持たされて、てんやわんやと外へ躍り出ました。
 
 
 
 
もう、タクシーが全然つかまりません。
麻酔がかかってるからよだれが出ても分からない。こちとら、花も恥じらう乙女なのに!
 
 
 
 
タクシーをつかまえに大通りまでそこそこ歩いて、大学病院に向かうと、総合受付、口腔外科受付を華麗に通過しました。
 
 
 
 
口腔外科での受付をすませ、ベンチに腰掛けた瞬間。
総合窓口から先に内線があったのか、外来局長が飛び出してきて、私は治療室に直行です。
 
 
 
 
そこまでの一大事だと思っていなかった私の手汗がまずい。
これ、まじのやつ。まじの急患。
 
 
 
 
 
あ〜きいてない。
そもそも私の骨、なんで無いの。
上顎洞への迷入って字ズラはかっこいい。

 
 
 
 
ちょっとコンビニ気分で親知らずを抜きに行っただけなのに、気がつけば大学病院で麻酔追加されて口蓋の骨を何層か削られて横たわってる。
 
 
 
 
ピザを切るやつの小さいやつみたいなのが、ヴィーンっていって、道路のアスファルトを固める時の、あの変に焦げたにおいが口の中に充満して、これが骨の削れる匂いかと初体験。
 
 
 
そして心なしか、痛い。
…そりゃそうだよ。本来なら、麻酔がMAXかかった最高にハイってやつだぜ状態でのぞむはずなのに、先に4本麻酔を打っているから。
 
 
 
先に打った4本の麻酔のうち、2本は下の親知らずの為の麻酔なわけだし。
何の役にもたてない下の麻酔、強いて言うなら私のよだれを外の世界にゴーさせる原因。
 
 
 
 
ふふふ。私ってば半泣き。
どきどきが止まらない!こんなどきどきいらない。
 
 
 

もう、ひたすら神様に祈りをささげました。
祈りをささげて、他に私が出来ることといえば、口を大きくあけて微動だにせず、唾をのまない、ただそれだけでした。
 
 
 
施術の概要としては、残っている親知らずの根っこを無理に取り出して上顎洞へ迷入させたら大変なことになるから、となりの空洞スポットに根っこが落ちないように口蓋から骨を削って歯茎も切って、横から根っこにアクセスしたよ!
 
 
 
 
と、いうことでした。
たくさんの先生のおかげで、無事にひねくれた方向に曲がっていた親知らずの根っこもとれました。
 
 
 
 
最初に抜歯を始めてくれた口腔外科の先生も、無理に根っこをとらずに大学病院にまわしてくれたから、上顎洞への迷入は阻止できたみたい。
 
 
 
 
これ、自信があるんだけど、ウインナー先生ならぐいぐいやってたね。120パーセント迷入してたと思う。
 
 
 
 
 
まさかのゴールデンウィークに痛んだおかげで、結果的に良かったのかな〜。
提携している大学病院も、今回行った場所が一番安心できるところでした。
 
 
 
そもそも、あるべき場所に骨がないのも、根っこがぎゅんっとひん曲がっていたのも、私の身体が悪い。
 
 
 
 
親知らずがこんなことになるなんて、放っておいたら根っこがしっかりしちゃうなんて…
上顎洞とつながることを交通というらしいけれど、肉で塞がるまでは口の中に圧がかからないように気をつけなくてはいけません。
 
 
 
ストローを使うとか、口に空気をためてぷくっとしたりとか、鼻をかむとか、大きなあくびをするとか。
 
 
 
本当、難しい注文してきますよね。
出来ないよ。
そんなの、無意識でしてることばかりなのに。
 
 
 
なかなか慣れなくて、はっとします。
しまった〜またやってしまった〜って。
 
 
 
上顎洞と交通したまま、もし塞がらなかったら、改めて塞ぐ手術が必要らしいので、私もちゃんと真剣なんだけど…真剣に忘れちゃう。
 
 
 
とりあえず、鼻をかめないならほじるしかないですね!って先生に言ったら、アラサーのくせに何言ってんだこいつくらいの雰囲気を感じました。
 
 
 
 
 
 
 
で、施術から数日たった今何を思うかって、
口の中が殺人的に臭いっていうことです。
 
 
 
抜歯をしたことがある人にはあるある話なんだけど、これがもう、どぶ?
 
 
 
いや、どぶっていうか、ごみっていうか…
 
 
 
 
小学生のころ、交代で回ってくる生物係で、夏にサワガニの飼育をしていたとき。
 
 
 
 
サワガニが餌のいりこを食べる途中で死んでいた、あの水槽と同じ臭いが、乙女の口からします。
 
 
 
 
自分の口から出る臭いで、夜中に飛び起きる不快さ。
マスクをすれば、自分で生産した毒ガスを自分で消費する、地産地消の循環型社会が成り立つ仕組みで。
 
 
 
乙女の憂いを帯びたアンニュイな口なのに。臭い。
 
 
しかも、この臭いが出てきたのって、施術から2日経ってからですから。時間差攻撃は心への負担がすごいです。
 
 
 
 

しかも、口蓋の骨を削った場所と、歯茎を切った場所と、親知らずがあった場所、この3箇所を縫っているせいで、口の中で糸をさばくのがまぁ大変。

 
 

本当に、親知らずの副産物が多すぎて、誰も彼もに伝えたい。
 
 
 
伝えたい気持ちが強すぎて、施術帰りのタクシーの中、麻酔も糸もものともせず、事の顛末を陽気なタクシー運転手に話すこと30分。
 
 
 
会う人会う人に、やばいやばいと伝えて12人。
それでも飽き足らず日記にしたためること80分。
 
 
 
 
そう。親知らずは若いうちに抜こう。
10年経っても、牽引できない生え方をしている親知らずは役立たずだったよって。
 
 
 
しかも私、まだ2本残ってるよ。
あ〜怖い。また抜歯を決断しないといけないなんて、恐怖以外のなにものでもない。
 
 
 
 

私の親知らず事情なんて、親どころか、友人知人、タクシーの運転手さん、役所の受付の人、そしてこの日記を読んでくれた人っていう多くの人が知っていることなのに、まだ親知らずだなんてひっそりした名前で呼ぶのはすっごく不本意
 
 
 
 
大好きな漫画『聖☆おにいさん』でもイエスが言ってたけど、私の親知らずも親知りだし、私を痛めつけるのは勘弁してもらいたい。
 
 
 
 
…まぁ、いい考えも閃いたんです。
口臭で苦しむ全ての人に、一見普通に見えるけど、外に臭いが漏れない強力な二重マスクを作ってくれないかなって。
 
 
 
 
ハーブの香りとか、ウイルス99パーセントカットじゃなくて、この際循環型社会の地産地消でいいから、マスクの内側から臭いが出ないようにする、ニッチな商品を開発してくれたら、マスクに飢えた私が買います。
 

 
 
とりあえず、現段階では私ののぞむマスクがなかったので、次の抜歯までにどうか販売されていますように!